シカゴ商品取引所の穀物相場は今週、前半はおおむね高値圏でもみ合った後、週末、需給報告でトウモロコシが予想外の低水準の期末在庫になるとの予想が示されたことを受けて、トウモロコシ、大豆とも多くの限月がストップ高まで急騰した。先行きの需給タイト感に加え、投機資金の商品投資ブームが相場を空前の高値圏に押し上げており、週明けも強地合いを引き継いで始まりそうだが、ファンダメンタルズよりも外部環境に頼っている過熱気味の上昇相場だけに、高値波乱や調整場面も出てきそうだ。
大豆相場は今月3日、7月物が、旧ソ連の大量買い付けなどをきっかけに相場が高騰した1973年6月につけた1290セントを上回り、34年半ぶりに史上最高値を更新した。そして、11日の需給報告発表後には、指標となる当ぎり(1月物)が1296セント、さらに現在、商いの中心の3月物は1310セントまでそれぞれ上昇、これで大豆相場は紛れもなく史上最高値更新を実現した形となった。
11日の需給報告ではトウモロコシのイールド(1エーカー当たり収量)が151.1ブッシェルと、1.9ブッシェル下方修正された。さらに、トウモロコシ相場の高騰が続く中で飼料需要が3億ブッシェルも引き上げられたことが市場に驚きを与え、トウモロコシの期近限月のストップ高につながり、大豆の期先限月や小麦でも多くの限月がストップ高となった。
トウモロコシのイールド引き下げ、飼料需要の引き上げは事前にもある程度予想されていたが、その修正幅が予想以上と受け止められた。
ある日系大手商社のトレーダーは「イールドの引き下げ幅の理由はよく分からない。飼料需要の増加については、最近、エタノールの副産物である乾燥ディスティラー・グレイン(DDG)の需要が伸び悩んでおり、トウモロコシ飼料に回帰しているという話も聞くので、それが原因か」などと首をかしげていた。
年明けから、原油価格の1バレル=100ドル台乗せを呼び水に高値追いが続く穀物相場だが、ここにきて米国のリセッション(景気後退)入り観測が浮上し、株価が下落する中で、金に象徴される商品市場にますます投機筋の注目が高まるという新たなシナリオも描かれつつある。さらに、商品指数ファンドの入れ替えに伴う買い増しなどのテクニカルな支援要因や、大手投資銀行の強気の相場見通しがある中では、なかなか本格的な調整場面が訪れない。
大豆が既に34年半ぶりに史上最高値を更新。トウモロコシも11日に軒並み500セント台乗せを実現し、1996年7月の史上最高値554.50セントも視野に入れ始めた。現在のこうした強気相場の中では、南米の天候など穀物のファンダメンタルズに関する多少の弱材料が出たぐらいでは、本格調整は期待薄。金融市場や原油など他の商品市場で基調を変えるような材料やトレンドが出てくるのを待つしかなさそうだ。
11日の立ち会い取引の終値は以下の通り(1ブッシェル当たり)。
トウモロコシ08年3月きり=前週末比28.25セント高の495.00セント▽大豆08年1月きり=同37.00セント高の1286.00セント▽小麦08年3月きり=同22.25セント安の909.25セント。(了)



